金運のまじない食 ② 商売繁盛を祈る 恵比須講のお供え
商売繁盛の神様とされるえびす様。
元々は漁業の神様であり、
転じて商売繁盛の神様とも、農耕の神様ともされました。
関東各地の農家や商家では財運や商売繁盛、豊作を祈るために
盛んにえびす講が行われました。
埼玉県さいたま市にある「旧坂東家住宅見沼くらしっく館」で
恵比須講のお供え再現を見学しました。
この古民家は見沼・片柳の加田屋新田を開発した名主である坂東家が暮らした旧宅で、
いったん解体されたのちに復元され、
現在は昔の暮らしに親しむ野外博物館として運営され、
四季折々の年中行事が再現されます。
えびす講は年に二回あります。
旧暦の1月20日ははえびす様が出稼ぎに出ていくのを送り出す出えびす講(でべすこう)、
10月は出稼ぎから帰ってくるのを迎える帰えびす講(きべすこう)と呼ばれました。
えびす様のためのお膳も再現されていました。
尾頭付きの魚が二対、山盛りのごはん、煮しめ、味噌汁、漬物。
(残念ながら本物の展示は数年前よりなくなってしまったそうで、
写真は再現された食品サンプルです。
一般の商家ではまだやっているところもあるのでしょうか)
煮しめの上に油揚げをかぶせるのは、
大きく平たい形から小判を連想したから。
えびす様と大黒様の横には四角い升があり、硬貨や紙幣が入っています。
これは「えびす様がますます稼いでくれるように」と願って供えたのだそうです。