指宿焼酎トレイル⑤〜吉永酒造（利八）

小さな蔵を家族で守る
吉永酒造

次に訪ねたのは明治 38 年創業の吉永酒造です。

吉永酒造は家族経営の蔵 で、焼酎銘柄は「利八」。

小さな蔵だからこそできる一本一本手作業の焼酎造りを守っていらっしゃいます。

 

 

「利八」は平成 15 年まで 「さつま白雪」として親しまれていた焼酎ですが、

商標の関係 で改名し現在に至っています。

5 代目社⻑・吉永章一さんは大阪で IT 企業に勤めた後に家業を継ぐために帰郷。

タブレットを駆使して焼酎作りの工程を説明してくれました。

 

 

「利八」の仕込み水には敷地内の井戸水を利用。

井戸水はほんの少しだけ塩気を含んでいて、これが利八独特の後味を醸し出すの だそうです。

蔵の建物は築 70 年以上もたっています。

 

 

この蔵で、和甕での仕込みから貯蔵、瓶詰、ラベル貼り、出荷までの全てを家族 3 人の手で行っていらっしゃいます。

目の届く範囲に全てがある。

昔の焼酎蔵はきっとどこもこうだったのでしょう。

 

昔ながらの蔵での焼酎作りを見学した見た後は併設の売店で試飲タイムです。

 

 

私は期間限定の「蒸留したてむろか利八」を試飲しました。

焼酎に含まれるフーゼル油は雑味のもととなるため敬遠されがちで、

すっきりした飲み口を求めて取り除かれる ことが多い成分だそうです。

無濾過焼酎は濾過しないため、このフーゼル油などの成分やガスがしっかり残っています。

このため、口に含むと強い香りと複雑な味わいが広がります。

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ああ、これこれ。

鹿児島人の私にとって「これぞ焼酎!」と懐かしくなるようなふくよかな味です。