新刊発売のお知らせ『疫病退散たべもの記』(論創社)/2025年9月26日刊行
新刊発売のお知らせです。
食の民俗学をテーマにした、吉野りり花の3冊目の本
『疫病退散たべもの記 病除けの祈りと食のまじない』が
9月26日に論創社から刊行されます。
疫病退散の祈りを込めたたべものや、病よけの願いを託したたべものを集めた本です。
本文より
コロナ禍を経験した令和の私たちは「疫病流行の収束を祈るしかない」という状況を経
験した。医学が充分に進歩していなかった時代ならば、人々が抱いた無力感や焦燥、世の
狂騒は現代のそれとは比べ物にならないだろう。疫病の収束を祈るしかないという状況で
人々は何をしたのか。どんな食に祈りを託したのか。
帯文
食に祈りをこめて、病を退散させる。その驚くほど多様な「食」と「病」と「祈り」の世界を追い求めて全国を旅する。
わかめ、しょうが、へちま、こんにゃく、大根、みかん……。何を食べると、どの病気を封じるのか。病に翻弄されてきた長い歴史の中で、人々は身近な食べ物を通して、どのように病と向き合ってきたのか。本書は、その謎を解くために全国を巡った筆者によるエスノグラフィーだ!
目次
1 コロナ禍とアマビエ和菓子の誕生
2 日本人と疫病
3 花を鎮めて疫病除けを祈る 大神神社・狭井神社の鎮花祭
4 花を鎮めるやすらい祭と無病息災のあぶりもち 今宮神社のやすらい祭
5 無病息災の食べるお守り 金沢・神明宮のあぶりもち神事
6 五体をあらわす団子で無病息災 全国の厄除団子
7 わかめが万病の薬に 和布刈神社の和布刈神事
8 漬物が万病の妙薬に 萱津神社の香乃物祭
9 しょうがで無病息災・風邪をひかない 二宮神社のしょうが祭
10 薬草・朮で無病息災 八坂神社のをけら詣り
11 月が欠けるようにぜんそくが消える 赤山禅院のへちま加持
12 病気を引き起こす虫とこんにゃく 四天王寺庚申堂のこんにゃく
13 笹酒でがん封じ 大安寺の笹酒祭り
14 大根・かぼちゃで中風除け
15 焼きみかんで中風除け 京のお火焚き
16 唐辛子断ちで咳止め祈願
17 眼病平癒や歯痛封じの祈り など
この本では、私たちが経験した新型コロナウィルス感染症の流行とその狂騒(いわゆるコロナ禍)をふりかえり、
そこから出発して、日本人と疫病との関係や、古典にあらわれる疫病や病を紹介します。
そして、疫病退散や災疫鎮静の祈りからはじまった神事や祭りを訪ね、
病除けの祈りを託したたべものや、病が治るように祈る「病除け」の願いが託された食風習を探していきます。
病除けとは「病にかからないように祈る」こと。
日本人が疫病とどう向き合ってきたのか?
全国の神事や祭りのなかで受け継がれるさまざまな病除けのたべものを探しながら、
身近なたべものを入り口に病除けの食風習をたどっていきます。
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ご興味のある方、ぜひ読んでみてください。
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